ブランディング動画(ブランディングムービー)はなぜ必要?事例から学ぶ制作のコツ

「ブランディング動画って、本当に効果があるの?」
「自社でも作れるものなの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
近年、多くの企業がブランディング戦略に動画を取り入れ、その効果を実感しています。LIXILや京都橘大学、パナソニックなど、成功事例も多数存在します。
本記事では、ブランディング動画を活用すべき3つの理由や成功事例、自作・外注の比較、視聴者の心に響く動画を作るためのポイントまで、詳しく解説します。
ブランディング動画の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
企業が動画ブランディングを活用すべき3つの理由

近年、多くの企業がブランディング戦略の一環として、動画を活用するケースが増えています。なぜ、動画がブランディングに効果的なのでしょうか?
動画を活用すれば、以下の3つの効果が期待できます。
- ブランド認知度を向上
- 企業の理念・価値観を強く伝えられる
- SNS・YouTubeでの拡散が期待できる
ここでは、上記3つの効果について詳しく解説します。動画ブランディングのメリットを理解し、自社の戦略に活かしていきましょう。
ブランド認知度を向上
動画は、ブランドの認知度を向上させるための有効な手段の一つです。なぜなら、静止画やテキストと比較して、視覚的なインパクトが強く、短時間で多くの情報を伝えることができるからです。
動画がブランド認知度向上に効果的な理由は、主に以下の2点です。
視覚的なインパクト | 新商品の特徴や使い方を魅力的に紹介 SNSやYouTubeで配信し、多くの人にブランドを認知 Webサイトや広告に掲載し、ブランドイメージを深く印象付け |
記憶への定着 | 人は視覚と聴覚から情報を得ると記憶が定着 動画は視覚と聴覚に訴え、ブランド名を記憶に定着 |
印象的なキャッチフレーズやサウンドロゴを用いた動画を繰り返し配信し、ブランド名が自然と人々の記憶に残り、認知度向上につながった事例は数多くあります。
動画は、ブランド認知度向上に貢献できる有効な手段の一つです。
企業の理念・価値観を強く伝えられる
動画は、企業の理念や価値観を強く伝えるための有効なツールです。言葉だけではなく、映像や音楽、ストーリーを通して伝えることで、より深く、視聴者の心に響かせることができるからです。
動画が企業理念・価値観を強く伝えられる理由には、以下のようなものが挙げられます。
多角的な表現 | 創業ストーリーや商品開発の想いをドキュメンタリーで紹介 視聴者は理念・価値観に共感、信頼感を抱きやすい |
分かりやすさ | 抽象的な理念も具体的な映像で表現 「お客様第一」なら社員が奔走する姿を描写 「環境保護」なら美しい自然の映像とともにメッセージを発信 |
「人」の魅力 | 経営者や社員のインタビュー、働く姿を映像化 理念・価値観が体現されている様子を具体的に描写 |
上記のように、動画活用により、企業の理念や価値観を多角的かつ効果的に伝えることができます。
その結果、視聴者の共感や信頼を得て、企業ブランディングを強化できるでしょう。
SNS・YouTubeでの拡散が期待できる
動画は、SNSやYouTubeといったプラットフォームとの相性が良く、拡散されやすいコンテンツ形式です。
そのため、ブランディング動画をこれらのプラットフォームで配信すれば、多くの人々に情報を届け、ブランド認知度向上や企業イメージ向上につなげることができます。
動画がSNS・YouTubeで拡散されやすい理由には、以下のようなものが挙げられます。
視覚的な魅力 | 動きや音がある動画は、静止画やテキストよりも目を引く タイムライン上で自動再生されることも多く、目に留まりやすい |
感情を刺激 | 感動、驚き、笑いなど、感情を揺さぶる動画は共有されやすい 共感を呼ぶストーリーは、多くの人々にシェアされる可能性大 |
短い時間で視聴可能 | スキマ時間に気軽に視聴できる 忙しい現代人に適したコンテンツ形式 |
例えば、感動的なストーリーの動画や、ユニークなアイデアの動画、役立つ情報を提供する動画などは、SNSで「いいね!」やシェアをされやすく、多くの人々に拡散される可能性があります。
YouTubeで面白い動画を公開すれば、関連動画として表示され、さらに多くの人々に視聴される機会が増えることも期待できます。
動画は、SNSやYouTubeでの拡散を通じて、ブランド認知度を飛躍的に向上させる可能性があるコンテンツです。
【成功事例】ブランディング動画を活用した企業の取り組み

ブランディング動画は、多くの企業で活用され、成功を収めています。ここでは、実際にブランディング動画を活用して成果を上げている企業の事例を3つ紹介します。
それぞれの事例から、ブランディング動画を成功させるためのヒントや、自社の戦略に活かせるアイデアを見つけてみましょう。
LIXIL「未来」篇|“未来の暮らし”を映像で描く、環境ブランドムービー
LIXILの環境ブランドムービー「未来」篇は、ブランディング動画として高い評価を得ている成功事例です。美しい映像とシンプルなメッセージで「未来の暮らし」をテーマに、企業の環境への取り組みを効果的に伝えています。
LIXILの動画が成功したポイントは、主に以下の3つです。
- シンプルで力強いメッセージを打ち出し、多くの人の共感を獲得
- 視聴者の心に響く映像で、ブランドイメージ向上
- 未来に貢献しようとする姿勢を示し、企業への信頼感を向上
各要素が組み合わさることで、「未来」篇は、視聴者にLIXILの環境への取り組みを強く印象づけ、共感を呼び、ブランドイメージ向上に成功しました。
LIXILの事例は、ブランディング動画制作では、メッセージの明確化、映像表現の工夫、企業の姿勢の提示が効果的であることを示しています。
京都橘大学「!?予想外にいこう。」|若者の挑戦を後押し
京都橘大学のブランドムービー「!?予想外にいこう。」は、未来が不確かな時代において、変化を恐れず、心がときめく方を選ぶことの大切さを、力強いメッセージと印象的な映像で表現しています。
京都橘大学の動画が多くの若者の共感を呼んだポイントは、主に以下の3つです。
- 未来が不確かな時代だからこそ、変化を楽しみ、心がときめく方を選ぶことを推奨
- 学生たちの躍動感あふれる姿を捉え、見る人に勇気を与える
- 予想外の未来へ進む若者を後押しする大学の姿勢を明確に提示
これらの要素が一体となり「!?予想外にいこう。」は、視聴者に強い印象を残し、共感を呼ぶことに成功しました。
京都橘大学の事例は、ブランディング動画制作では、ターゲット層(若者)に響くメッセージ、印象的な映像表現、メッセージと一貫性のある企業(大学)の姿勢を示すことが大切であることを示唆しています。
パナソニック「Make New」コンセプト篇|革新の精神を映像で体感する
パナソニックのブランドムービー「Make New」コンセプト篇は、企業が持つ「革新の精神」をテーマに、未来を切り開く力強い意志を、映像を通して視聴者に伝えています。
この動画が視聴者に響くポイントは、主に以下の3つです。
- 新しいものを創造し、未来を切り開くという企業の意志を明確に表現
- 革新的な技術や製品、それらを生み出す人々の姿を印象的に描写
- 常に新しい価値を創造し、社会に貢献し続けるという企業の姿勢を提示
これらの要素が組み合わさることで「Make New」コンセプト篇は、視聴者にパナソニックの革新性を強く印象づけ、共感を呼ぶことに成功していると考えられます。
パナソニックの事例は、ブランディング動画制作では、企業の核となるコンセプトを明確に打ち出し、それを効果的な映像で表現すること、企業としての姿勢を示すことの重要性を示唆しています。
ブランディング動画は「自作」or「外注」?

ブランディング動画の制作を検討する際「自社で制作するべきか、それとも外部の制作会社に依頼するべきか」という点は、多くの方が悩むポイントではないでしょうか。
自作と外注には、それぞれメリットとデメリットがあります。ここでは、自作と外注、それぞれの選択肢について、詳しく比較検討していきます。
自作のメリット・デメリット
ブランディング動画を自作する場合、制作会社に外注する場合と比較して、費用面やスピード面でメリットがある一方、クオリティ面で課題が生じる可能性もあります。
自作のメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
制作会社への依頼費用を削減 企画から制作、公開までを自社で完結 迅速に対応可能 | 映像や音響の質が劣る可能性 企画力やノウハウが必要 |
自作でブランディング動画を制作する場合は、メリットとデメリットを十分に理解した上で、自社のリソースやスキル、求めるクオリティなどを総合的に判断し、慎重に検討する必要があります。
外注のメリット・デメリット
ブランディング動画の制作を外注する場合、自社で制作する場合と比較して、クオリティ面や企画力でメリットがある一方、費用面でデメリットが生じる可能性があります。
外注のメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
豊富な経験と知識を持つプロが、戦略的な動画を制作 最新機材や技術を駆使し、高品質な映像・音響を実現 社内のリソースを割く必要がない | 自社制作と比較して、費用が高額になる傾向 自社の要望に合った制作会社を選ぶ必要がある |
ブランディング動画の制作を外注する場合は、メリットとデメリットを十分に理解した上で、自社の予算や求めるクオリティ、制作会社との相性などを総合的に判断する必要があります。
ブランディング動画の相場
ブランディング動画の制作を外注する場合、気になるのが費用です。
制作費用は、動画の内容や撮影規模、制作会社によって異なりますが、一般的な相場を把握しておくことは、予算を検討する上で目安になるでしょう。
ブランディング動画の制作費用の相場は、以下のとおりです。
費用・相場 | 特徴 | 撮影期間 |
---|---|---|
10~30万円 | 画像のみ、スライドショー | 2週間~1ヶ月 |
30~80万円 | 社員インタビュー、社内風景 | 1~1.5ヶ月 |
80~200万円 | 仕事密着、コンセプトムービー | 1.5~2ヶ月 |
200万円以上 | 特殊な演出(CGなど) | 3ヶ月以上 |
上記の相場は、あくまで目安です。実際には、動画の長さやナレーションの有無、編集の複雑さ、資料制作の有無など、さまざまな要素によって費用が変動します。
例えば、企業ブランディングから制作会社に依頼する場合、動画の方向性提案や強みの抽出、台本制作など、資料作成に多くの時間が必要となるため、費用が追加されることが一般的です。
ビデオMTGなどの時間も考慮すると、平均して20万円前後プラスされると考えておくと良いでしょう。
制作会社に見積もりを依頼する際は、これらの要素を踏まえ、自社の要望を具体的に伝えることが大切です。複数の制作会社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
視聴者の心に響くブランディング動画を作るコツ

ブランディング動画は、ただ制作すれば良いというものではありません。視聴者の心に響き、共感を呼び、ブランドイメージ向上につながる動画を制作する必要があります。
では、具体的にどのような点に注意すれば、視聴者の心に響くブランディング動画を作ることができるのでしょうか?
ここでは、ブランディング動画を成功させるための3つのコツを解説します。
①共感を生むメッセージを設計する
視聴者の心に響くブランディング動画を制作するためには、まず、共感を生むメッセージを設計する必要があります。
メッセージを設計する上で大切なのは、ターゲットとなる視聴者層を明確にすることです。
年齢や性別、職業、興味関心など、詳細なペルソナを設定し、そのペルソナが抱える課題や悩み、価値観を深く理解する必要があります。
ペルソナを深く理解すれば、どのようなメッセージが彼らの心に響くのか、どのような言葉で語りかければ共感を得られるのかが見えてきます。
例えば、若い世代をターゲットとする場合は、彼らが共感しやすい言葉遣いや表現を使い、彼らが抱える悩みや不安に寄り添うようなメッセージ設計が効果的です。
一方、ビジネスパーソンをターゲットとする場合は、彼らが抱える課題を解決し、ビジネスに役立つ情報を提供するようなメッセージが響きやすいでしょう。
メッセージは、企業の理念や価値観と一貫性がなければなりません。企業が大切にしていること、社会に提供したい価値を明確に打ち出すことで、視聴者は企業に対して信頼感を抱き、共感しやすくなります。
ターゲットとなる視聴者層を明確にし、彼らが共感できる設計が、ブランディング動画を成功させるためには大切です。
②ストーリー性のある構成を作る
視聴者の心に響くブランディング動画を制作するためには、ストーリー性のある構成が効果的です。
単に情報を伝えるだけではなく、物語を通して視聴者の感情を動かし、共感を呼ぶことで、より深く記憶に残る動画を制作できます。
ストーリー性のある構成を作る上で、以下の3つの要素を意識すると良いでしょう。
主人公 | 動画の主人公は誰か? ターゲット層に合わせた人物設定が重要 |
目的 | 主人公は何を目指しているのか? 視聴者が共感できる目的設定を |
展開 | 主人公はどのように目的を達成するのか? 困難や葛藤、それを乗り越える姿を描く |
例えば、ある企業のブランディング動画で、新入社員を主人公に設定するとします。
主人公は、最初は仕事で失敗ばかりですが、先輩社員の助けや顧客からの励ましを受けながら成長し、最終的には大きなプロジェクトを成功させるなどのストーリー展開が考えられます。
ストーリーを通して、視聴者は主人公に共感・感情移入し、企業が伝えたいメッセージ(例:社員の成長を支援する企業文化、顧客との信頼関係を大切にする姿勢)をより深く理解し、記憶に残すことができます。
ブランディング動画を作る際には、ストーリー構成もしっかりと作成しましょう。
③映像のクオリティを意識する
ブランディング動画では、映像のクオリティは、視聴者の印象を左右する要素の一つです。
どれだけ素晴らしいメッセージやストーリーがあったとしても、映像のクオリティが低ければ、視聴者にその魅力が十分に伝わらず、ブランドイメージを損ねてしまう可能性すらあります。
映像のクオリティを高めるためには、以下の点に注意すると良いでしょう。
画質 | 高画質のカメラを使用し、鮮明で美しい映像を撮影 |
照明 | 被写体やシーンに合わせて適切な照明を設定し、明るくクリアな映像に |
構図 | 被写体をバランス良く配置し、見やすい構図を意識 |
編集 | カット割りやテロップ、BGMなどを効果的に使い、テンポの良い動画に |
プロの制作会社に依頼する場合は、上記の要素を高いレベルで実現できます。しかし、自社で制作する場合でも、機材や編集ソフトの選定、撮影方法の工夫などによって、映像のクオリティを高めることは可能です。
映像のクオリティは、ブランディング動画の成功を左右する重要な要素です。
予算やリソースに応じて、できる限り映像のクオリティを高める努力をすれば、視聴者の心に響くブランディング動画を制作できるでしょう。
まとめ|ブランディング動画を活用すれば企業価値高めることも可能
本記事では、ブランディング動画の必要性や成功事例、制作のポイントについて解説しました。
動画は、ブランド認知度向上や企業理念の浸透、SNSでの拡散など、さまざまな効果が期待できる、有効なマーケティングツールです。
LIXIL、京都橘大学、パナソニックの事例から、メッセージの明確化、ストーリー性のある構成、映像のクオリティが、ブランディング動画を成功させる上で重要な要素であることがお分かりいただけたかと思います。
ブランディング動画の制作には、自作と外注の選択肢があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
自社の状況や目的に合わせて、最適な方法を選択する必要があります。
ぜひ、本記事を参考に、ブランディング動画を活用し、企業価値向上を目指しましょう。