TikTok採用の成功事例10選！成果を出すためのポイントも解説

2025 6/23

TikTokを使った採用活動が、今、多くの企業で成果を上げています。

写真や文字では伝えきれない“社風”や“雰囲気”を、動画でダイレクトに伝えられるからこそ、若年層を中心に応募につながる動きが加速中です。

実際にどんな企業が、どのような動画を通じて採用を成功させているのかと、疑問を感じる方もいるでしょう。

この記事では、TikTok採用の成功事例をもとに、企業がどんな工夫をして応募者を増やしているのかを具体的に紹介します。

TikTokを採用広報に活かしたい企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

TikTok採用の成功事例10選

近年、若年層へのアプローチや企業の雰囲気を伝える手段として注目されており、実際に成果を上げている企業も増えています。

ここでは、TikTokを活用して採用に成功した企業の事例を10社紹介します。

どのような動画を投稿し、どんな効果があったのかを具体的に確認していきましょう。

三和交通｜“踊るタクシーおじさん”で社風を発信し話題に

@sanwakotsu

三和交通は、TikTokで社風の親しみやすさを伝え、中途採用にも好影響を与えた企業です。

神奈川・東京・埼玉に拠点を持つタクシー会社で、取締役部長や課長代理が踊る動画を発信し、「踊るタクシーおじさん」として注目を集めました。

TikTokで人気となった背景には、以下のような特徴的な投稿があります。

中高年社員による全力ダンス
トレードマークの短いネクタイ
シュールでコミカルな演出

上記のような動画は2021年上半期のTikTokトレンドにも選出され、テレビ出演や有名人とのコラボにもつながりました。

2025年6月時点でフォロワー数は21万人を超え、企業アカウントとして高い認知度を誇っています。

TikTokの活用によって企業のイメージが向上し、応募者数が増加し、中途採用の広告費も抑えられたとのことです。

楽しさや個性を伝える動画が、若年層との接点を築いた好事例といえるでしょう。

BEEM｜エンタメ系TikTokで人材の共感と応募を獲得

@beem_official

株式会社BEEMは、TikTokを通じて企業の雰囲気を発信し、応募者の共感を集めている事例です。

株式会社BEEMはTikTokマーケティングに特化した映像制作会社で、社長を中心としたユニークな投稿が注目を集めています。

動画では、ボケ役の社長と、それを絶妙にさばく社員たちとの掛け合いが定番です。

視聴者が思わず笑ってしまうような演出とテンポのよさが人気を呼び、TikTok公式アカウントのフォロワーは48万人を突破しています。

投稿の特徴としては、以下のような要素が挙げられます。

社長と社員による掛け合い動画
バラエティ要素の強い構成
社内の人間関係が伝わる演出

実際に、動画のコメント欄には「この会社で働きたい」「楽しそうな雰囲気が伝わる」といった声が多数寄せられており、採用への導線としても機能しています。

視聴者の共感を呼ぶ発信が、自然な応募につながる好事例といえるでしょう。

ライソン｜“職場クッキング動画”でアットホームな雰囲気を発信

@lithon_corp

ライソン株式会社は、TikTokを通じて家庭的な社風を発信し、共感を呼ぶ採用活動を行っています。

大阪に本社を置く家電メーカーで、製品のユニークさを活かした職場クッキング動画が人気を集めています。

投稿では、自社製品を使って職場でおやつを作ったり、定時後に社員同士で調理を楽しんだりする様子が楽しめます。

TikTok動画に含まれる主な要素は、以下のとおりです。

職場内での家電クッキング
同僚同士の自然な掛け合い
商品紹介を兼ねた活用シーン

動画のコメント欄には、女性視聴者から「こんな職場なら働きたい」といった声も寄せられており、企業イメージの向上とともに就職希望者の増加につながっています。

等身大の発信が、応募者との距離を縮める要因となっているのでしょう。

大京警備保障｜部長と社長のユーモア動画で国内外から応募を獲得

@dkykeibi_tokyo

大京警備保障株式会社は、TikTokでのユニークな発信により、国内外から応募者を集める警備会社です。

部長と社長が登場するコミカルな動画が話題となり、企業のイメージアップにつながっています。

特に注目されているのが、部長の特技であるイラストを活かしたネタ投稿です。

熱さまシートの裏に描かれたアニメ風の「目」を社長のメガネに投げ貼る動画シリーズが、海外ユーザーからも高く評価されています。

動画の中に登場する主な要素は、以下のとおりです。

部長と社長の掛け合いネタ
手描きイラストを使った演出
シュールかつ一貫した企画構成

コメント欄には「この会社で働きたい」「最高に楽しい職場」といった日本語・英語双方の投稿が多数あり、実際にプロフィールの採用リンクからエントリー可能な設計になっています。

笑いを通じた企業理解が、国境を越えた応募につながっている好例です。

リンクロノヴァ｜“ながの社長”のキャラ動画で人気爆発＆応募殺到

@lincronova

株式会社リンクロノヴァは、個性派社長のキャラクターを前面に出し、TikTok経由で多数の応募者を集めている建設会社です。

宮城県仙台市に本社を構える株式会社リンクロノヴァは、建設業界では異例のフォロワー数約80万人を誇ります。

動画は週3回の頻度で更新され、人気シリーズでは社員が社長のデスク前で突然料理を始める構成が定番です。

社長の「おいおいおいおい！」のリアクションと、最後に美味しそうに食べるオチが視聴者の心をつかんでいます。

投稿の主な特徴は、以下のとおりです。

社長の個性を前面に出す構成
毎回登場する料理系コント風演出
一貫した編集テンポとセリフ回し

有名インフルエンサーとのコラボ動画も多数公開されており、求人動画を投稿した際には「こんな社長と働きたい」「まだ募集していますか？」といったコメントが殺到しました。

企業の“顔”となる存在を活かした発信が、採用活動にも直結した好例といえます。

ANA｜社員出演動画による職場理解の促進

@ana_allnipponairways

ANA（全日本空輸株式会社）は、TikTokを通じて職場理解を深める取り組みを進めています。

社員自身が企画・出演する動画が多く、利用者にとって親しみやすいコンテンツを発信している点が特徴です。

動画に登場するスタッフは現役社員で、業務紹介だけではなく制服の紹介や軽快な演出も交えて構成されています。

TikTok投稿に含まれる主な要素は、以下のとおりです。

社員本人による出演とナレーション
各職種の業務紹介と裏側公開
制服紹介を交えたカジュアル演出

会社のブランドアカウントとしての役割に加えて、採用活動でも活用されており、社員のリアルな姿が視聴者の職場理解と応募意欲の向上につながっています。

社内の多様性や雰囲気を自然に伝える方法として、好事例といえるでしょう。

NIDS｜“社員の日常”をコントで表現

@nids__official

株式会社NIDSは、社員の自然な日常をコミカルに表現し、TikTokで好感を集めている企業です。

ITコンサルや不動産、スクール事業などを展開しつつ、TikTok運用ではエンタメ性を重視した発信を続けています。

平日は毎日投稿を行い、遅刻や欠勤にまつわるネタ、社長へのドッキリ、オフィス内のちょっとした騒動をコント形式で演出しているのが特徴です。

社員の個性や関係性がそのまま動画に反映されており、視聴者との距離感を縮めています。

主な人気コンテンツの例は、以下のとおりです。

社員の“遅刻理由”コント
社長ターゲットのドッキリ企画
社員同士の即興コント

コメント欄には「職場が明るそう」「社長がフレンドリー」といった声が多く見られ、サービスへの信頼感や採用への関心にもつながっています。

人柄と社風を表現した動画が、企業ブランディングに結びついた好事例といえるでしょう。

三洋商事｜社長を中心に伝える理想の職場像

@sanyosyoji

三洋商事株式会社は、社長が中心となって職場の雰囲気を可視化し、TikTokで共感を集めている企業です。

リサイクル事業や産業廃棄物の収集・運搬・処理を行う三洋商事株式会社では、日常的な業務風景をユーモラスに編集した動画を多数投稿しています。

TikTokでは、社長が自ら登場して社員とやりとりを交わす場面が多く、視聴者にとっては“理想の上司像”をイメージしやすい構成になっています。

投稿に見られる主な特徴は、以下のとおりです。

社長が社員を巻き込む動画構成
日常業務を題材にしたユーモア演出
軽快なテンポとカジュアルな演技

上記のようなコンテンツは、職場の楽しさや人間関係の良好さを感じさせるだけではなく、採用面でもプラスに働いています。

「この職場で働きたい」と思わせるきっかけをつくる発信事例といえるでしょう。

これから｜若手社員の成長ストーリーによる共感形成

@corekara_official

株式会社これからは、若手社員のリアルな成長ストーリーを軸にした発信で、TikTok上で共感を集めています。

自社の雰囲気や社員の働き方を伝える動画が多く、若年層の視聴者との接点づくりに成功しています。

TikTokでは、若手社員が感じる日々の挑戦や成長の様子を短編ストーリーとして投稿している企業です。

社内イベントの様子や、オフィスでの自然なやりとりも公開されており、実際の職場環境を視覚的に伝える構成になっています。

動画に見られる要素の一例は以下のとおりです。

入社初期のリアルな体験談
社内イベントや懇親風景
若手同士の自然な会話と雰囲気

上記のような投稿は、求職者が「自分もここで成長できそう」と将来を具体的にイメージしやすくなる点が特長です。

TikTokを通じた共感形成が、採用活動における成果に直結している好事例といえるでしょう。

三陽工業｜中高年社員の活用による親しみやすさの演出

@sanyoukougyou

三陽工業株式会社は、中高年社員の個性を活かしたTikTok動画で、視聴者に親しみやすさを印象づけています。

製造・技術系人材の採用を行う三陽工業株式会社では、年齢層の高い社員が出演する動画を積極的に投稿しています。

動画の内容は、現場でのやりとりや何気ない日常をベースにしつつ、表情や言葉づかいの面白さを取り入れた演出が特徴です。

若年層だけではなく、幅広い世代から好感を持たれやすい構成となっています。

投稿の主なポイントは、以下のとおりです。

中高年社員が主役の短編動画
現場での素朴なコミュニケーション
動きや表情によるユーモア演出

視聴者からは「こういう人と働きたい」といった声も寄せられており、社風や働く人の魅力が自然に伝わる仕掛けとして機能しています。

実際の職場に近い雰囲気を見せることで、応募意欲の向上にもつながっている事例です。

なぜ今、TikTok採用が注目されているのか？

近年、採用活動の手法としてTikTokを活用する企業が急増しています。

従来の求人媒体では届けにくかったZ世代や若年層に、自然な形で企業の魅力を伝えられる手段として注目されているからです。

動画形式を通じて、社風や働く人の姿をリアルに伝えられる点も支持を集める理由の一つです。

ここでは、TikTokが採用活動においてどのような役割を果たしているのか、他のSNSとの違いや企業ブランディングへの効果も含めて整理していきましょう。

若年層の利用率が高く、採用ターゲットと一致

TikTokは若年層の利用率が高く、新卒・第二新卒を中心とした採用ターゲットと親和性が高い媒体です。

他のSNSと比較しても、視覚的・感覚的に情報を捉えるZ世代に届きやすい特徴があります。

総務省の調査によると、10代におけるTikTokの利用率は約70％です。

同年代ではYouTubeの利用率も90％を超えており、動画コンテンツへの関心の高さがうかがえます。

引用：総務省「主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率」

20代ではX（旧Twitter）の利用率が81.6％と高く、Instagramも女性層を中心に利用が拡大しています。

年代別SNSの利用傾向は、以下のとおりです。

年代別のSNS利用傾向

10代のTikTok利用率：約70％
20代のX（旧Twitter）利用率：81.6％
全体のLINE利用率：90％超

上記のように、TikTokは採用活動で接点を持ちたい層に対して、最適なメディアのひとつといえます。

特にZ世代との自然なコミュニケーション手段として、有効性が高まっています。

動画で社風や雰囲気が直感的に伝わる

TikTokの動画は、企業の社風や職場の雰囲気を直感的に伝える手段として有効です。

文字や写真では伝えきれない空気感や人間関係を、映像と音声を通じて具体的に表現できるからです。

投稿される動画では、社員の表情や声のトーン、話し方などがそのまま伝わります。

これにより、「どんな人たちが働いているのか」「オフィスの空気感はどうか」といった感覚的な情報を、視聴者が自然に受け取ることが可能になります。

TikTok動画に含まれる要素の一例は、以下のとおりです。

社員の表情や会話の温度感
日常風景の自然な描写
オフィスや制服のビジュアル情報

上記のような情報は、求職者にとって職場をイメージする手がかりになります。

自分がその場で働く姿を想像できるようになることは、応募のハードルを下げる大きな要因です。

拡散力が高く、コストパフォーマンスに優れる

TikTokは少ない予算でも大きな効果が期待できる、拡散力の高い採用媒体です。

従来の求人広告と比べ、投稿内容が自然に広がりやすいため、費用対効果に優れる点が特徴です。

TikTokのアルゴリズムは「おすすめ（For You）」機能により、フォロワー以外の視聴者にも動画を表示します。

質の高い投稿であれば、フォロワー数が少なくても数万〜数十万再生に至ることも珍しくありません。

コスト面での利点は、以下のような点に表れています。

TikTok採用のコスト面での利点

広告費ゼロでも再生数が伸びる
自社で撮影・編集可能な運用形式
運用初期から反応が得られやすい

少ない予算と人員でも効果的にターゲットへ届くことから、中小企業を含めた幅広い事業者にとって有効な手段といえます。

TikTok採用で成果を出すためのポイント

TikTokを採用活動に活用する企業は増えていますが、成果につなげるためには明確な戦略が欠かせません。

単に動画を投稿するだけでは応募には直結せず、採用ターゲットや動画の構成、導線設計などを丁寧に組み立てる必要があります。

ここでは、TikTok採用で実際に成果を上げている企業が実践しているポイントを整理していきましょう。

自社のペルソナ・ターゲットを明確にする

TikTok採用で成果を出すためには、自社のペルソナ・ターゲットを明確にしましょう。

なぜなら、誰に向けて発信するのかが曖昧なままでは、メッセージが響かず応募につながらないからです。

採用ターゲットを設定する際は、単なる属性情報だけではなく、価値観や不安、SNSの利用傾向まで具体的に想定しなければなりません。

具体的には以下のような視点でペルソナを整理していきましょう。

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項目	具体的な内容
年齢・性別	・22歳・女性（新卒）・27歳・男性（第二新卒）など
居住地	・都市部・地方・実家暮らし・一人暮らし
SNS利用傾向	・TikTokを日常的に閲覧・YouTube中心など
性格・価値観	・成長意欲が強い・安定志向・チーム志向など
求める働き方	・副業OK ・柔軟な勤務時間・成果重視など

具体的な人物像を描くことが、TikTok上で伝えるべき社風や動画のテイストを定める軸になります。

採用の精度と質を高めるためには、届けたい相手像をはっきりさせることから始まります。

社員のキャラクターを活かす

TikTok採用で成果を出すためには、社員のキャラクターを活かすことが効果的です。

なぜなら、社員の自然体な姿や個性は、視聴者にリアルな親近感を生み、企業への信頼や共感へとつながるからです。

例えば、部長や社長がユーモアを交えて登場する動画や、若手社員が本音を語る投稿は、視聴者に「この会社、面白そう」「こんな人たちと働いてみたい」と感じさせるきっかけになります。

社員の個性を無理に演出する必要はありません。

以下のようなキャラクターを“そのまま”活かすことが、等身大の社風発信につながります。

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キャラクタータイプ	活用例
おちゃめな上司	ダンス動画やツッコミ系のやり取りで人気化
真面目な若手社員	成長ストーリーや裏方仕事の紹介に最適
朗らかなベテラン社員	職場の安心感や落ち着きある雰囲気の演出

働いている人の“顔が見える”ことで、視聴者との距離が縮まり、採用候補者が「この会社に入りたい」と思える接点をつくれます。

人柄を活かすことが、応募者を増やすことにもつながるでしょう。

トレンドの音楽・ネタ・ハッシュタグを使う

TikTok採用で成果を出すためには、トレンドの音楽やネタ、ハッシュタグをうまく取り入れることが必要です。

なぜなら、TikTokは「流行」に敏感なプラットフォームであり、トレンドに乗ることで多くのユーザーに表示される可能性が高まるからです。

例えば、流行中の楽曲に合わせて自社の日常風景や採用情報を表現するだけでも、視聴者の関心を引きやすくなります。

投稿の説明文やキャプションには、以下のようなハッシュタグを使うのが効果的です。

スクロールできます

種類	具体例
採用系タグ	#採用 #求人 #TikTok採用
社風発信系タグ	#社内風景 #会社の日常 #働くって楽しい
トレンド系タグ	#今日のコーデ #◯◯チャレンジ（変動あり）

トレンドは日々移り変わるため、週に1回はTikTok内の「急上昇」や「注目ワード」をチェックしましょう。

最新の流行を取り入れた投稿は、自然な形で多くのユーザーの目に触れる機会を増やし、応募者増加につながります。