ショート動画の収益化条件とは?YouTubeで稼ぐための仕組みと見直しポイントを解説

YouTube Shortsが注目を集める中、「ショート動画でも収益って得られるの?」「収益化の条件がややこしくて分からない…」と感じている方は多いのではないでしょうか。
実際、通常のYouTube動画とは異なり、ショート動画の収益化には独自の仕組みと条件が存在します。
「知らないまま投稿を続けていたら、収益のチャンスを逃していた」なんてことも、決して珍しくありません。
そこで本記事では、YouTubeショート動画の収益化条件や仕組み、収益が出ないときに見直すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
まずは、今の運用が収益化に適しているかを一緒にチェックしていきましょう。
YouTubeのショート動画でも収益化ができる

YouTubeショート動画でも、広告収益を得ることは可能です。
2023年2月から、ショート動画もYouTubeパートナープログラム(YPP)の対象となり、収益化の枠組みに組み込まれました。
広告のほか、YouTube Premiumの視聴分も収益に反映されるようになり、従来の長尺動画と同様にマネタイズが可能です。
以前はできませんでしたが、現状はショート動画でも収益を得られる環境が整ってきており、個人でも取り組みやすい収益手段の一つとなっています。
ショート動画が注目されている理由
ショート動画が注目されている背景には、視聴の手軽さや拡散性の高さがあります。
スマホに最適化された縦型動画は、スキマ時間にさっと見られることから、特にZ世代を中心に広く受け入れられています。
主な理由は、以下のとおりです。
短時間で視聴できる | 1本数十秒〜1分程度で完結するため、通勤・通学中や待ち時間に最適 |
情報がコンパクトにまとまっている | 要点がすぐに伝わり、タイムパフォーマンスが高い |
関連動画が表示される | プラットフォームのおすすめ機能により、視聴が連鎖しやすい |
拡散性が高い | 再生回数が伸びやすく、認知拡大にもつながりやすい |
特に、YouTube ShortsやTikTokでは、プラットフォーム側がショート動画を優先的に表示する傾向にあり、フォロワーが少なくても再生数が伸びやすい仕組みが整っています。
視聴の気軽さ・タイパ重視の消費行動・拡散性の高さが組み合わさったことで、ショート動画は今や主流のコンテンツ形式として定着しつつあります。
通常動画との収益モデルの違い
YouTubeのショート動画と通常動画では、収益モデルに違いがあります。
両者は収益の仕組みだけではなく、条件や単価にも違いがあるため、特徴を理解して運用する必要があります。
主な違いを比較表にまとめると、以下のとおりです。
項目 | ショート動画 | 通常動画 |
---|---|---|
主な収益源 | ・ショートフィード広告・投げ銭 | ・広告(インストリーム)・投げ銭 |
単価の傾向 | 低め(1再生あたり0.003〜0.01円程度) | 高め(0.05〜0.7円程度) |
作成の手間 | 比較的少ない | 編集・構成などに時間がかかる |
拡散のしやすさ | 高い(おすすめ枠に載りやすい) | タイトルやサムネに依存しやすい |
ショート動画は再生回数を稼ぎやすい反面、1回あたりの収益は控えめです。
一方で、通常動画は収益性が高いものの、再生回数を伸ばすには工夫や手間が必要です。
両者の特性を理解したうえで、自身の目標やリソースに合った収益化方法を選びましょう。
なぜ「稼げない」と言われるのか?
ショート動画が「稼げない」と言われる理由は、収益の仕組みや視聴行動の特性にあります。
短尺であることが再生のしやすさにつながる一方で、広告表示の機会や単価の面では不利になる場合もあります。
具体的には、以下のような課題が挙げられます。
収益単価が低い | 広告表示のタイミングが限定されており、1再生あたりの報酬が少ない |
競合が多い | 投稿者が急増し、再生数を確保する難易度が上がっている |
収益化の選択肢が限られる | 広告以外に依存せざるを得ない場面が多い |
離脱率が高い | 動画が短く、他のコンテンツへの誘導が難しい |
上記のような特性から、「ショート動画=稼げない」などの印象を持たれがちですが、実際には工夫次第で収益化は実現できます。
ただし、ただショート動画を作ればいいわけではありません。
戦略的な設計や収益化につながるコンテンツ作りが必要です。
YouTubeショート動画で収益化するための条件などを把握

ショート動画の再生回数が伸びてきたことで、「もしかして収益化できるのでは?」と考える方も増えてきました。
しかし、YouTubeでショート動画から収益を得るためには、いくつかの条件や手続きをクリアする必要があります。
通常の長尺動画とは収益化の仕組みが異なり、知らないままだとチャンスを逃してしまうケースも少なくありません。
ここでは、収益化の条件・仕組み・申請の流れを順に整理しながら、具体的にどのような準備が必要なのかを解説していきます。
収益化の条件
YouTubeショート動画で収益を得るには、一定の条件を満たしてYouTubeパートナープログラム(YPP)に参加する必要があります。
この条件は通常の動画と共通する部分もありますが、ショート動画ならではの基準も設定されています。
特に重要なのが、登録者数と再生実績の2点です。
※以下のどちらかを満たせば申請可能です。
- チャンネル登録者数が1,000人以上
- 下記いずれかの再生要件
- ①過去12カ月間で公開動画の総再生時間が4,000時間以上
- ②過去90日間で公開ショート動画の視聴回数が1,000万回以上
加えて、以下の技術的・ポリシー要件もあります。
- YouTube収益化ポリシーに違反していない
- 有効なAdSenseアカウントが連携されている
- 2段階認証が有効
- 地域が収益化対象国に該当している
引用:YouTubeヘルプ「YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格」
上記条件は今後変更される可能性があるため、定期的にYouTube公式の最新情報を確認しておく必要があります。
条件は変更される可能性もあるため、定期的に確認しましょう。
収益化の仕組み
YouTubeショート動画の広告収益は、一般の長尺動画と異なる独自の分配モデルで計算されます。
クリエイター個人の再生数に応じて報酬が支払われるのではなく、「収益プール方式」の考え方が採用されています。
この仕組みでは、広告収益がいったん全体で集約され、使用音楽や再生回数に応じて各クリエイターに分配される流れです。
収益分配の4ステップの具体的な流れは、以下のとおりです。
①広告収益をまとめてプール化 | YouTube Shortsの全クリエイターが生み出した広告収益が、1カ月ごとに集計 |
②音楽使用の割合で収益を配分 | 音楽付き動画と音楽なし動画で収益の分配割合が異なり、それぞれ著作権者・クリエイターに分配 |
③再生シェアで報酬額を算出 | その月の総再生回数に対する自チャンネルの再生比率に応じて、自分の取り分が決定 |
④収益の45%がクリエイターに支払われる | 最終的に、クリエイターには計算された金額の45%が支払 |
具体的な数値で計算してみましょう。
月間の総広告収益が800万円、あなたの動画が300万回再生された場合(総再生数1億回中3%)
- クリエイタープール:560万円
- あなたのシェア(3%):16.8万円
- 支払額(45%):約75,600円
上記のように自分の再生数だけではなく、全体の再生規模や音源使用率も報酬に影響します。
ショート動画で安定した収益を得るには、定期的な投稿とアルゴリズムに好まれる構成を意識しなければなりません。
収益化の申請方法
YouTubeショート動画で収益を得るためには、収益化の条件を満たしたあと、YouTube Studioから正式に申請する必要があります。
申請後は、チャンネルがガイドラインやコミュニティポリシーに準拠しているかどうか、YouTube側による審査が行われます。
具体的な申請手順は、以下のとおりです。
- YouTube Studio にログイン
- 左メニューから「収益化」をクリック
- 「申し込む」を選択
- 利用規約に同意し、「開始」をクリック
- Google AdSense アカウントを新規作成、または既存のものをリンク
手続き完了後、ステータスが「審査中」と表示され、審査の結果が届くまでに通常は最大1か月程度かかります。
審査は自動システムと人の目によって行われ、チャンネルの内容がYouTubeのルールに合致しているかどうかが確認されます。
もし審査に通らなかった場合でも、30日後に再申請が可能です。
不承認の原因として多いのは、ガイドライン違反やオリジナリティの不足、他者コンテンツの過剰利用などです。
YouTubeショートの収益化は、手順自体はシンプルですが、ポリシーへの継続的な準拠が求められます。
審査後も安定的に投稿を続けていきましょう。
YouTubeのショート動画での実際の収益目安

YouTubeショート動画の収益は、再生回数や広告単価の変動によって異なるのが実情です。
再生数が多ければ収益も増える傾向にありますが、ショート動画特有の収益構造や、視聴者の属性・動画ジャンルによって、収益額にはばらつきがあります。
ここでは、ショート動画における再生回数と収益の関係性や、どのような要素が収益に影響を与えるのか確認していきましょう。
100万再生あたりの収益イメージ
YouTubeショート動画は、100万再生を獲得しても通常動画ほどの収益にはつながりにくい傾向があります。
ショート動画特有の収益モデルと広告単価の低さに起因しているからです。
ショート動画では、ショートフィード内に表示される広告収益をYouTube側が一括でプールし、参加クリエイターに再生回数などに応じて分配する方式が採用されています。
そのため、再生回数が同じでも、単価にはばらつきが出やすくなります。
一般的には、ショート動画の広告単価(CPM)は約0.003〜0.01円程度とされており、100万再生あたりの収益はおおよそ3,000円〜1万円前後になるのが一般的です。
あくまで目安であり、使用した音楽のライセンス有無や、動画が配信された地域、視聴者の属性などによって収益は変動します。
ショート動画は大量の再生回数を獲得しても収益性が限定的であるため、収益目的で運用する場合は、投稿の継続性や複数動画での積み上げを意識しなければなりません。
再生回数と収益のばらつき
ショート動画では、同じ再生回数でも収益額に差が出ることがあります。
広告表示の仕組みや視聴者の属性、動画のジャンルなど、さまざまな要因が収益に影響を及ぼすからです。
YouTubeショートは再生ごとに広告が必ず表示されるわけではありません。
そのため、広告がどの程度表示されたかによって、収益が大きく左右されます。
使用した音楽の有無やそのライセンス条件によっても、収益の配分割合が異なります。
広告単価(CPM)は視聴者の地域や年齢層、動画ジャンルによっても変動するのもばらつきがでる要因です。
例えば、広告主が多い分野の動画は単価が高くなりやすい傾向があります。
一方で、娯楽系や若年層向けの動画は単価が低くなることも少なくありません。
ショート動画の収益は「再生数=収益」では語れない構造になっています。
安定的な収益を目指すためには、動画の質やジャンル、ターゲット視聴者を見直しながら、再生回数だけでなく収益効率にも注意しなければなりません。
高収益チャンネルの特徴
ショート動画で安定した収益を上げているチャンネルには、いくつかの共通点があります。
高収益チャンネルの多くは、広告単価が高めのジャンルを選び、視聴者の関心を引きつける工夫を凝らしています。
再生数だけに頼らず、他の収益経路との連携にも力を入れているのが特徴です。
以下のような要素が、高収益チャンネルによく見られます。
- ジャンルの専門性が高い(ビジネス・教育・金融など)
- 動画テーマが一貫していてファンが付きやすい
- 動画冒頭で惹きつける構成がある
- コメント・高評価・保存などのエンゲージメントが多い
- 通常動画や商品販売など他の導線も整備されている
- 収益化モジュール(メンバーシップやスーパーチャット)を活用している
単なる再生回数の多さではなく、「誰に、どんな価値を届けるか」を明確にした動画設計と、複数の収益導線の確保も意識しましょう。
収益が出ないときに見直すポイント

ショート動画を投稿しているものの、なかなか収益に結びつかず悩んでいる方も少なくありません。
YouTubeショートでの収益化は、再生回数や登録者数だけではなく、コンテンツ設計や設定環境など、複数の要素が影響するからです。
思うように収益が上がらない場合は、動画の方向性やチャンネル全体の運用スタイルの見直しも検討する必要があります。
ここでは、収益化に向けて再点検したい具体的なポイントを見ていきましょう。
登録者数を増やすための動画設計を見直す
登録者数の伸び悩みは、動画設計に原因がある場合が少なくありません。
登録者を増やすには、動画内容だけではなく、構成・タイトル・CTA(行動喚起)の一貫性や魅力も見直す必要があります。
特にショート動画では、一瞬で視聴者の関心をつかみ、印象を残さなければなりません。
例えば、以下のようなポイントが有効です。
- 動画冒頭3秒で関心を引く構成にする
- チャンネルの方向性に沿ったテーマを繰り返す
- シリーズ化し「続きが見たくなる」導線を設ける
- 動画内・動画後に自然な形で登録を促す
- 視聴者の声を反映し「共感」を生む企画にする
登録者数の増加は、収益化の条件達成にも直結します。
登録者の増減も定期的にチェックしましょう。
再生回数を伸ばすための投稿頻度を上げる
再生回数を増やしたいなら、まずは投稿頻度を見直すことが有効です。
投稿頻度が高いほど露出の機会が増え、ユーザーのタイムラインやおすすめ欄に表示されやすくなるからです。
視聴者の接触回数が増えることで、リピート視聴にもつながるでしょう。
以下のような工夫が再生回数の底上げに役立ちます。
- 毎日または週3回以上の投稿を目指す
- 投稿時間を一定にして、習慣的な視聴を促す
- 複数のショート動画をシリーズ化する
- 成功した動画のフォーマットを繰り返し活用する
- 反応が良かったテーマをアレンジして再投稿する
再生回数は単発のバズよりも「積み上げ型の運用」で安定して増やすのが理想です。
まずは無理のないペースで投稿頻度を上げ、視聴習慣を形成していきましょう。
オリジナル性のあるコンテンツに修正する
収益が思うように伸びない場合は、コンテンツのオリジナル性を見直すことが効果的です。
アルゴリズムが独自性のある動画を評価しやすい傾向にあるからです。
視聴者も「ここでしか見られない」価値を求めているため、模倣ではなく「チャンネルらしさ」を意識した発信が必要です。
オリジナル性を高めるポイントは、以下のとおりです。
- 自分の体験や意見を盛り込む(事例紹介・解説系など)
- 人気のテーマに独自の切り口や視点を加える
- オリジナル音源や自作のグラフィックを使用する
- 独自キャラクターや話し方で覚えてもらう工夫をする
- 他ジャンルと組み合わせた意外性ある動画構成にする
再生回数が低迷している場合、模倣型の投稿に偏っていないかを振り返ってみましょう。
「誰が投稿しているか」が差別化になる時代です。
チャンネルの個性を活かした動画に改善していくことが、継続的な収益化につながります。
収益化モジュールとAdSenseの設定を確認する
収益が発生しない原因の一つとして、YouTube Studio内の設定ミスやAdSenseアカウントの不備が挙げられます。
収益化機能がオフになっていたり、AdSenseの連携に問題があると、再生回数に関係なく収益が発生しないからです。
確認すべき主なポイントは、以下のとおりです。
- YouTube Studioで「収益化」ステータスが「オン」になっているか
- AdSenseアカウントが有効かつチャンネルに正しくリンクされているか
- 動画ごとに収益化設定がオンになっているか(自動でオフになることもある)
- モジュール別の利用規約(ショート広告・Super Chat など)に同意済みか
- 通知メールや「収益化」ページで警告が出ていないか
設定に不備があると、どれだけ再生回数や登録者数を稼いでも、収益にはつながりません。
一度、すべての設定を手順に沿って点検すれば、思わぬ取りこぼしを防ぐことができます。
視聴者層に合ったジャンルに絞る
収益を安定させるためには、明確な視聴者層に向けたジャンル設定が必要です。
YouTubeのアルゴリズムは「どの視聴者に届けるか」を学習する仕組みのため、ジャンルがバラついているとターゲットの絞り込みが難しくなるからです。
特定ジャンルに興味を持つ視聴者はチャンネル登録やリピート視聴につながりやすく、結果的に収益化に有利に働きます。
見直すべきポイントは、以下のとおりです。
- 想定する視聴者層(年齢・性別・興味)を明確化する
- 一貫性のある動画ジャンル・テーマに絞る
- 再生回数が安定している動画を分析し、方向性を定める
- 広告単価が高めのジャンル(教育・ビジネス・美容など)を意識する
- 競合の少ないニッチジャンルを見つけるのも一案
視聴者に「このチャンネルは○○系だ」と認識されることが、長期的な成長と収益化につながりやすくなります。
まずはターゲットを明確にし、そのニーズに合ったコンテンツに集中するなど試してみましょう。
まとめ|YouTubeショートの動画の収益化条件を正しく理解しよう
YouTubeショート動画でも収益化は可能ですが、通常動画とは異なる収益化の条件が設けられており、基準を満たす必要があります。
特に「チャンネル登録者1,000人以上」と「直近90日間で1,000万回以上のショート動画再生」は、多くのクリエイターにとって大きな課題です。
ただし、戦略的に動画を設計し、ジャンルの絞り込みや投稿頻度の見直し、収益設定の確認を行うことで、条件達成は十分可能です。
まずは現在のチャンネル状況を振り返り、今回紹介した見直しポイントを参考に改善を進めてみましょう。